『庭園思想と平安文学』の書評が「週刊読書人」に掲載されました

倉田実『庭園思想と平安文学 寝殿造から』の書評が「週刊読書人」第3279号(2019年3月1日)に掲載されました。
【評者 田島智子氏】

●記事はこちらから(週刊読書人ウェブ)
https://dokushojin.com/article.html?i=5092

2018年11月30日発行
庭園思想と平安文学 寝殿造から
倉田実 著
定価:本体8,500円+税
A5判・上製・376頁
ISBN:978-4-909832-00-9

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寝殿造の「庭」を新たな視点で捉えなおす。
『源氏物語』『枕草子』『うつほ物語』『伊勢集』『和泉式部集』ほか、王朝文学作品に描かれた様々な「庭」。貴族は庭に何を求めていたのか、史実と虚構から考察。庭園史や考古学の知見も得て作品中の庭を捉え、平安文学を読み解く。


【著者紹介】
倉田 実(くらた・みのる)
大妻女子大学文学部教授
[著書]『紫の上造型論』(新典社、1988・6)、『「わが身をたどる表現」論』(武蔵野書院、1995・11)、『狭衣の恋』(翰林書房、1999・11)、『王朝摂関期の養女たち』(翰林書房、2004・11、紫式部学術賞受賞)、『蜻蛉日記の養女迎え』(新典社、2006・9)、『王朝の恋と別れ』(森話社、2014・11)など。
[共著]『伊勢集全注釈』(角川書店、2016・11)など。
[編著]『王朝文学と建築・庭園』(平安文学と隣接諸学1、竹林舎、2007・5)、『現代文化と源氏物語』(講座源氏物語研究第九巻、おうふう、2007・10)、『王朝人の婚姻と信仰』(森話社、2010・5)、『平安大事典―図解でわかる『源氏物語』の世界―』(朝日新聞出版、2015・4)など。
[共編著]『源氏物語の鑑賞と基礎知識 空蝉』(至文堂、2001・6)、『王朝文学と交通』(平安文学と隣接諸学6、竹林舎、2009・5)、『王朝文学文化歴史大事典』(笠間書院、2011・11)、『王朝びとの生活誌』(森話社、2013・3)など。


【目次】
凡例

序 平安時代の庭

Ⅰ 神仙庭園から浄土庭園へ
第1章 『源氏物語』の神仙庭園― 「胡蝶」巻の六条院―
はじめに
一 「胡蝶」巻の船楽の段
二 春秋優劣論の場としての庭―天・地・人の調和世界
三 庭への視界―建物から
四 庭への視界―南池・中島から
五 春の町の植栽―百花繚乱
六 地被としての苔の植栽―春の緑色
七 南池・中島と築山―大海の象徴
八 船楽と舟遊び―南池の興
九 舟中歌会の和歌表現―庭褒め
十 仙境幻想―庭の理想性
十一 篝火の庭―夜の儀式
おわりに

第2章 『狭衣物語』の浄土寺院と浄土庭園―道長の法成寺と頼通の平等院の影―
はじめに
一 嵯峨の院の御堂
二 亀山のいかめしき寺
おわりに

Ⅱ 実在した寝殿造の庭
第3章 藤原敦忠「音羽山荘」の庭―『伊勢集』の遣水の滝を詠む和歌―
はじめに
一 伊勢の音羽山荘の歌
二 小野の音羽・山科の音羽・清水寺の音羽
三 遣水について
四 山荘と遣水
五 音羽山荘の遣水と滝
六 遣水を詠む和歌
七 伊勢詠の影響
おわりに

第4章 藤原頼通創建「高陽院」の池庭
はじめに―高陽院の時期区分
一 高陽院造営の次第
二 高陽院池庭の景観
三 高陽院の立石・滝・泉
四 高陽院の四つの池
五 高陽院水閣歌合
おわりに

第5章 再建「高陽院」について
はじめに
一 再建の次第
二 再建高陽院新宅移徙は長久二年四月以降か
三 再建高陽院の池庭
四 再建高陽院の建物
おわりに

Ⅲ 平安朝女性文学と前栽
第6章 歌人の庭―『伊勢集』から―
はじめに
一 前栽作り
二 前栽による隣家との交渉
三 前栽の贈答
四 前栽に書きつけた歌
五 前栽の花見
六 物思いを誘う前栽
おわりに

第7章 家の女の庭―『蜻蛉日記』から―
はじめに
一 前栽の「つくろひ」
二 前栽の贈答
三 庭への視線
おわりに

第8章 女の家の庭―『和泉式部集』『和泉式部続集』から―
はじめに
一 前栽の風情を詠む連作歌群
二 花は心の見なし・花ぞこの世の絆し
三 荒れたる宿
四 草葉へのまなざし
五 孤愁を誘う庭の花
六 前栽の贈答
おわりに

第9章 宮廷の庭―『枕草子』から―
はじめに
一 木守という者
二 牛を繋ぐ木
三 庭に下りる女房たち
四 前栽の露の美
五 池の水草と蓮
おわりに

Ⅳ 物語文学の庭
第10章 音楽の庭―『うつほ物語』仲忠の三条京極邸―
はじめに
一 「楼の上・上」巻以前の庭
二 三条京極邸の構想
三 三条京極邸のプラン
四 三条京極邸移徙
五 「合はす」「合ふ」秘琴伝授
六 秘琴伝授披露
おわりに

第11章 春秋優劣論の庭―『源氏物語』の六条院―
はじめに
一 春秋優劣論前史
二 「薄雲」巻の春秋優劣論
三 「少女」巻の春秋優劣論
四 「胡蝶」巻の船楽
五 秋好中宮の季の御読経
六 「御法」巻の紫上追悼歌
おわりに

第12章 紅梅の庭―『源氏物語』の二条院と紫上の最期―
はじめに
一 紫上と春
二 紅梅史
三 末摘花と紅梅
四 紅梅の色と香―「梅枝」巻
五 白梅にかかわる女君
六 「幻」巻の紅梅
七 匂宮三帖の匂宮と紅梅
八 宇治十帖の紅梅
おわりに

初出一覧/引用図版出典/あとがき
歴史人名索引/歴史文献書名索引/庭園・建築関係事項索引