『倭建命物語論』の書評が「國學院雑誌」に掲載されました

小野諒巳著『倭建命物語論 古事記の抒情表現』の書評が「國學院雑誌」第120巻第10号(2019年10月15日発行、52〜55頁)に掲載されました。
【評者 烏谷知子氏】

「國學院雑誌」の公式ページはこちら
https://www.kokugakuin.ac.jp/research/publications/p25


2019年2月28日発行
倭建命物語論 古事記の抒情表現
小野諒巳 著
定価:本体6,000円+税
A5判・上製・280頁
ISBN:978-4-909832-02-3

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歌は物語の中でどのような役割を果たしているのか

ヤマトタケルの物語にみえる、個々の歌とその歌い手を中心とする登場人物の関係性とを考察。『古事記』に独自の表現や記事配列を踏まえて物語全体の中に位置づける。
歴史的事跡である国土平定が、なぜ一人物の抒情的物語として描かれたのか—享受者の記憶に定着させ、「語り継がれるための工夫」を見出す。


【著者紹介】
小野 諒巳(おの あさみ)
1986年 北海道生まれ
2015年 國學院大學大学院文学研究科博士課程後期単位修得退学
2018年 博士(文学)取得 (國學院大學)
現在 國學院大學兼任講師
専攻 日本上代文学
著書・論文『古事記歌謡注釈 歌謡の理論から読み解く古代歌謡の全貌』(共著、新典社、2014年)


【目次】
はじめに
本書の概要
凡例

序論 『古事記』の倭建命物語
 Ⅰ 倭建命西征と神話
 Ⅱ 倭建命東征の表現
 Ⅲ 倭建命の名について

第一章 倭建命の「建荒之情」―被派遣者の資質―
 はじめに
 一 「建荒之情」の先行研究
 二 「建」の解釈
 三 「荒」の解釈
 四 倭建命の「建荒之情」
 おわりに

第二章 出雲の掌握と刀剣讃美―「さみなし」歌の解釈から―
 はじめに
 一 出雲建討伐条の先行研究
 二 「さみなし」の解釈
 三 「出雲建が佩ける大刀」と「あはれ」
 四 『古事記』における大和王権と出雲
 おわりに

第三章 弟橘比売命入水条の表現―象徴化の方法―
 はじめに
 一 倭建命物語における入水条の記載意義
 二 「さねさし」歌の記載意義
 三 「さねさし」歌と「覆奏」
 おわりに

第四章 酒折宮問答歌の時間意識―月立問答歌への展開―
 はじめに
 一 酒折宮問答歌の先行研究
 二 倭建命の時間意識―記25の表現―
 三 記26の表現効果―東征のとじめを告げる歌―
 四 酒折宮問答歌の位置づけ
 おわりに

第五章 月立問答歌の敬語表現―男女唱和の視点から―
 はじめに
 一 倭建命と美夜受比売の物語
 二 「月立たなむよ」の解釈
 三 男女の唱和歌における敬語表現
 四 倭建命物語における「期」の文脈
 おわりに

第六章 白猪神への「言挙」―「言向」から逸脱する倭建命―
 はじめに
 一 言向と言挙
 二 伊服岐能山の「白猪」と五十葺山の「大蛇」
 三 皇命の言向と倭建命の言挙
 おわりに

第七章 「一つ松」歌の役割―疲弊と思慕とを語る歌―
 はじめに
 一 「一つ松」歌の解釈
 二 倭建命と松樹との対比
 三 尾張に向かう一つ松と「御刀」の表現
 おわりに

第八章 思国歌にみる倭建命の忠心
 はじめに
 一 思国歌の先行研究
 二 記31の解釈
 三 倭建命物語における記31の位置づけ
 おわりに

第九章 倭建命辞世歌の役割―東征の終焉を告げる歌―
 はじめに
 一 記33の周辺に関する先行研究
 二 「嬢子の床辺」歌の解釈
 三 「嬢子の床辺」歌の役割
 おわりに

第十章 倭建命葬送条における「倭」と「天」
 はじめに
 一 倭建命葬送条の先行研究
 二 妻子による葬送の意義
 三 八尋白智鳥の行方―「天」の解釈―
 おわりに

結論

初出一覧
あとがき
英文要旨 A narrative analysis of Yamatotakeru’s legend as described in the Kojiki translated by Quiros Ignacio
索引(事項・引用文献・歌番号)