『平安朝国史和歌注考』の書評が「日本文学」に掲載されました

近藤信義著『平安朝国史和歌注考 『日本後紀』『続日本後紀』『三代実録』 付『東大寺要録』』の書評が「日本文学」第70巻第6号に掲載されました。
【評者 津田博幸氏】

「本書は、その一首一首に対して「注考」、つまり注釈して考究するという操作を加える。そのポイントは、第一に、歌が記載された史書の記事を周辺の史実を含めて丁寧に解読し、詠作の場を、その場にいた人々の心意を含めてありありと再構成し、歌意を読み解くべき文脈を定めること。第二に、先行研究と用例の徹底した博捜をもとに所与の語句と表現の意味を確定すること。第三に、それらが表現史において、また、ときには日本語史のなかでどの程度に九世紀的であるかを明らかにすること、である。こうして有益な知見の数々がもたらされ、九世紀の存在したはずの和歌世界のありようを高い確度をもって推量する基盤が構築されている、と言える。」

日本文学 第70巻第6号

編集:日本文学協会
発行日:2021年6月10日
定価:1,100円
判型:A5判
並製
ISSN:0386-9903(冊子版)

日本文学協会のサイト:
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目次

特集・東アジアの中の中世文学

釈迦の出家と羅睺羅誕生——不干斎ハビアンと南伝仏教をめぐって——……荒木浩
董黯贅語 続詔……黒田彰
和漢から漢和へ——対中国観の変容から——……前田雅之
室町期における中国史書研究の背景——『史記抄』が繙く日本紀の世界——……田中尚子

子午線 広岡浅子と和歌……高野晴代
読む 語られている〈私〉を超えて——魯迅『故郷』……喜谷暢史

書評

斎藤英喜著『読み替えられた日本書紀』……山田純
近藤信義著『平安朝国史和歌注考 『日本後紀』『続日本後紀』『三代実録』付『東大寺要録』』……津田博幸
一柳廣孝著『怪異の表象空間 メディア・オカルト・サブカルチャー』……竹内瑞恵
西田谷洋著『女性作家は捉え返す 女性たちの物語』……藤木直実

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