受贈図書
東茂美著『古代万葉の歳時記』(海鳥社)

東茂美氏よりいただきました。

古代万葉の歳時記
東茂美
発行:海鳥社
発行日:2021年12月15日
定価:本体2,500円+税
判型・製本:A5判・上製
ページ数:304頁+カラー口絵2頁

ISBN:978-4-86656-110-3


版元ドットコムサイト:
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784866561103


万葉びとの春夏秋冬によりそう暦の暮らし――いにしえの暮らしは自然と一体であり、年中の行事作法や儀式と共にこれを楽しみいつくしんできた。うつろう自然に託された万葉びとの思いを歌で味わい、その生活や風俗・習俗を読み解いていく。『万葉集』を読むだけではわからない万葉びとの暮らし十二カ月


目次

はじめに 暦のある万葉の暮らし

◆春
第一章 正月の酒【1月】
 正月には、つきものの酒/酒のあれこれ/屠蘇酒/梅花宴にも屠蘇酒あり

第二章 雪に祈る【1月】
 新春の賀歌/トシとは五穀の実り/積雪は瑞兆/因幡国への赴任/雪よ降れ降れ

第三章 寒の椿【2月】
 つらつら椿/海石榴市の歌垣/豊後国のツバキと伊予国のツバキ/世界樹としてのツバキ/ツバキは小さな太陽

第四章 物差しを贈る【2月】
 物差しのはじめ/官人たちに物差しは必携/天皇の物差し/命を測る

第五章 雄略の采菜歌【3月】
 青菜の値段/雄略天皇の歌/巻頭歌はなぜ菜摘み歌なのか/中国の采菜歌

第六章 おお牧場は緑【3月】
 生気みなぎる季春、放牧のとき/馬をうたう万葉歌/活躍する馬/愛しいあの児/ホーレラ リプカ ホーレラ

 万葉食堂 春のひと品……ワカメご飯

◆夏
第一章 うはぎを煮る【4月】
 ヨメナを摘む/野道の若草/春菜を贈る/ヨメナの草藪

第二章 灌仏と行像【4月】
 首夏をうたう/釈迦の誕生を祝う/元興寺の灌仏会/仏を讃える歌/やがて結夏へ

第三章 時鳥、鳴く【5月】
 悪月と善月/五月はホトトギス/過往の人を連れて来る鳥/ウグイスの愛し子/蜀魂の故事

第四章 蟾蜍をとらえる【5月】
 仙薬の材料/憶良、ヒキガエルをうたう/さ渡るたにぐく/ヒキガエルと案山子/中国のヒキガエル/古墳にもヒキガエル

第五章 水無月の小旱【6月】
 水の月/越中の旱魃/祈雨の祭事/祈雨の文学/止雨の歌も

第六章 鵜飼の夏【6月】
 蒸暑の楽しみ/鵜飼の歌/池主にウを贈る/吉野の鵜飼/殺生戒と食肉戒

 万葉食堂 夏のひと品……うざく

◆秋
第一章 七夕【7月】
 七夕の星祭り/人麻呂の七夕歌/憶良の七夕歌/中国の七夕詩に学ぶ

第二章 盂蘭盆【7月】
 夏安居/盂蘭盆会のはじまり/『仏説盂蘭盆経』の教え/ゆらぐ家族関係/盂蘭盆会と漢詩

第三章 放生会【8月】
 流水長者の恩/香椎廟を拝す/宇佐神宮の放生会/神功皇后への信仰

第四章 萩の忌【8月】
 歌よむ女/ハギの開花を待つ/ハギの花散る/手向けのハギ

第五章 九月のしぐれ【9月】
 しぐれの万葉歌/色づく山やま/しぐれとハギ/しぐれによせる心

第六章 刑を執行せず【9月】
 大津皇子事変/人臣の相にあらず/天武天皇の病/死刑執行をとりやめる/暦日がにぎる大津皇子の死

 万葉食堂 秋のひと品……松茸と雉肉の吸い物

◆冬
第一章 神のいまさぬ月【10月】
 もみじ葉の輪舞曲/神まします月/恋を祈る/神無月の語源/滅びの冬へ

第二章 暖【10月】
 火鉢の準備/白楽天の『売炭翁』/憶良の「貧窮問答の歌」/薪と炭の値段/火の気のないかまど

第三章 霜降る朝【11月】
 経もなく緯も定めず/霜をうたう/霜にまけぬ常葉の木/鴨の背に降る霜/黒髪に置く霜

第四章 冬至【11月】
 冬至の宴/冬至とはなにか/隋、煬帝の宴/朔旦冬至の賀

第五章 餅【12月】
 餅が白鳥となって/万葉びとの飯、あれこれ/粟飯と粟餅

第六章 年越しの大祓【12月】
酒を造る歌/祓いとみそぎ/晦日の大祓/大祓の祝詞/罪やけがれのゆくえ

 万葉食堂 冬のひと品……どんぐりクッキー


あとがき