受贈図書
佐々木孝浩 著『日本古典書誌学論 新訂版』(文学通信)
佐々木孝浩氏よりいただきました。
日本古典書誌学論 新訂版
佐々木孝浩 著
発行:文学通信
発行日:2025年5月31日
定価:本体3,200円+税
判型・製本:A5・並製
ページ数:568頁
ISBN:978-4-86766-088-1
公式サイト:
https://bungaku-report.com/books/ISBN978-4-86766-088-1.html
第39回角川源義賞受賞のことば・選評(初版):
https://www.kadokawa-zaidan.or.jp/kensyou/kadokawa/39th_kadokawa/winner01.html
本書への推薦文(初版) 野口契子/渡部泰明:
https://shop.kasamashoin.jp/bd/isbn/9784305708083/
書誌学は文学作品を読み解く上で何の役に立つか?
古典文学と書物をめぐる相関を鮮やかに解き明かす
古典研究必携 名著の新訂版
目次
はじめに
序編
第一章 日本古典書誌学論序説
はじめに
一 和本の装訂の種類
巻子装/折本/粘葉装/綴葉装/袋綴
二 装訂と作品の関係
巻子装/折本/粘葉装/綴葉装/袋綴
三 装訂の格と改装
おわりに
第二章 日本語の文字種と書物の関係について
はじめに
一 日本語の文字の種類
二 文字種と装訂の関係
三 文字種と版式の関係
おわりに
第一編 巻子装と冊子本
第一章 冊子本の外題位置をめぐって
はじめに
一 書誌学文献における題簽位置の記述
二 入木道伝書における題簽位置の記述
世尊寺流/清水谷流/持明院流/松花堂流/伊勢流礼法
三 歌書の古写本にみる外題の位置
勅撰集/私撰集/歌合/歌学書・注釈書/私家集
四 物語の古写本にみる外題の位置
歌物語/作り物語/歴史物語/仮名日記
五 外題位置の違いが意味すること
おわりに
第二章 絵巻物と絵草子—挿絵と装訂の関係について—
はじめに
一 巻子装と物語
二 絵巻物という存在
三 絵入り本という存在
四 絵入冊子本の登場
おわりに
第二編 巻子装と歌書・連歌書
第一章 勅撰和歌集と巻子装
はじめに
一 日本における巻子装
巻子装の日本伝来/巻子装の地位
二 巻子装と勅撰和歌集
勅撰集と巻子本の関係/勅撰集奏覧本の姿
三 勅撰集奏覧本の実態
金葉集(三奏本)・詞花集/千載集/新古今集/新勅撰集/続古今集/風雅集/新千載集/新続古今集
四 奏覧本の清書者
五 現存する奏覧本
『風雅集』竟宴本/『新続古今集』中書本・再清書本/伝為家筆『続後撰集』切/伝為世筆『新後撰集』・『続千載集』切/その他の巻子本切
六 天皇周辺の巻子本
おわりに
第二章 勅撰和歌集の面影—『新撰菟玖波集』の巻子装本をめぐって—
はじめに
一 『新撰菟玖波集』の巻子装
二 『新撰菟玖波集』成立に纏わる伝本
草案本/中書本/奏覧本
三 奏覧本の可能性の書誌的検討
四 奏覧本の可能性の本文的検討
おわりに
【翻刻】慶應義塾大学附属研究所斯道文庫蔵『新撰菟玖波集』存巻一
第三章 巻子装であること—早稲田大学図書館蔵『新撰菟玖波集〔政弘句抄出〕』をめぐって—
はじめに
一 もう一つの『新撰菟玖波集』巻子本
二 『新撰菟玖波集〔政弘句抄出〕』の書式
三 その本文
四 その成立過程
おわりに
【翻刻】早稲田大学図書館蔵『新撰菟玖波集』一軸
第三編 源氏物語と書誌学
第一章 「大島本源氏物語」の書誌学的研究
はじめに
一 従来の学説
二 従来説への疑問
三 問題点の再検討
四 大島本の奥書
五 大島本の親本
六 藤本孝一氏説の再検討
若紫末尾の四行/柏木巻末の問題
おわりに
第二章 二つの「定家本源氏物語」の再検討—「大島本」という窓から二種の奥入に及ぶ—
はじめに
一 定家自筆本と奥入残存本文の関係
二 六半定家本の特徴
三 六半定家本の書写時期
四 四半定家本の特徴
五 四半本と青表紙
おわりに
第三章 「大島本源氏物語」続考—「関屋」冊奥書をめぐって—
はじめに
一 「大島本」解釈の問題点
二 「関屋」奥書の解釈
三 大島本「関屋」冊の本文
四 大島本「関屋」冊の書き入れ
おわりに
第四編 平家物語と書誌学
第一章 書物としての平家物語
はじめに
一 室町時代以前の平家物語写本
『平家物語』古写本の略書誌一覧
二 『平家物語』写本の形態的特徴
三 『平家物語』内題のあり方
四 その他の特徴
おわりに
第二章 巻子装の平家物語—「長門切」についての書誌学的考察—
はじめに
一 「長門切」の基礎情報
二 「長門切本」が巻子装であること
三 「長門切本」の大きさと界線の問題
四 「長門切本」の書風の問題
五 「長門切本」は絵巻詞書か
おわりに
第三章 「屋代本平家物語」の書誌学的再検討
はじめに
一 書誌事項の再確認
二 書誌事項の再検討
三 屋代本の書写時期の検討
四 屋代本の補写の問題
おわりに
第五編 古典文学と書誌学
第一章 定家本としての枕草子
はじめに
一 三巻本枕草子の呼称の問題
二 安貞二年奥書の記主の問題
三 安貞二年奥書の再確認
四 定家本としての特徴
五 定家本の受容
六 定家本の抄出本
七 定家本の流布の問題
おわりに
第二章 書物としての『枕草子抜書』
はじめに
一 研究史と伝本
二 伝本の書誌情報
三 伝本の関係
四 連歌書としての性格
おわりに
第三章 書物としての歴史物語
はじめに
一 歴史物語古写本の書誌情報
栄花物語/大鏡/今鏡/水鏡/増鏡
二 歴史物語の書物としての特徴
三 歴史物語に対する当時のジャンル意識
おわりに
第四章 室町期東国武士が書写した八代集—韓国国立中央図書館蔵・雲岑筆『古今和歌集』をめぐって—
はじめに
一 韓国国立中央図書館蔵の『古今和歌集』
二 韓国国立中央図書館蔵の『拾遺和歌集』
三 雲岑筆写本を求めて
四 雲岑筆『後撰集』・『後拾遺集』・『金葉集』
五 雲岑の素性
六 雲岑筆八代集の位置付け
おわりに
第五章 長門二宮忌宮大宮司竹中家の文芸—未詳家集断簡から見えてくるもの—
はじめに
一 室町期の断簡から見えてくるもの
二 竹中(武内)家の文芸活動
三 竹中家の和歌短冊
四 竹中家の歌道師範と書流
五 「大島本源氏物語」と竹中家
おわりに
おわりに—本書で明らかにしたこと—
初出一覧
あとがき
新訂版あとがき
索引(人名・書名)
英文(題目・要旨)