受贈図書
小川剛生著『徒然草をよみなおす』(ちくまプリマー新書)

小川剛生氏よりいただきました。

徒然草をよみなおす(ちくまプリマー新書)
小川剛生
発行:筑摩書房
発行日:2020年10月10日
定価:本体800円+税
判型:
新書判
ページ数:192頁

ISBN:978-4-480-68385-4


公式サイト:
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480683854/


「徒然草」は、本当に「無常観を主題とした遁世者の随筆」なのだろうか。どうもそうではないらしい。当時の文脈に置きなおすことで、本当の姿が見えてくる。


目次

はじめに

第一章 かくてもあられけるよ

事実か虚構か/「栗栖野」のイメージ/連想の糸でつながる章段

第二章 時間よ止まれ

「すべてを捨てる」生き方/「空の名残」/それでも心を動かすもの
 【コラム】徒然草の本文—烏丸本

  本文を定める/たった一字の違いでも……

第三章 歌人としての兼好

和歌四天王/和歌世界の枠組み/実体験の歌、物語を題材にした歌/「恋の歌」の詠み方/なかなかの歌人

第四章 奇蹟が起きたら

大根が勇士となって……/兼好好みの「聞き違い」/奇蹟に対する距離の取り方

第五章 捨ててよいのですか?

最も人気のない箇所/おんぼろ書類ケース/「まかり」の謎/古くて汚いけれど

第六章 太平記の兼好

ラブレターの代筆/教科書としての太平記/権力者との距離

第七章 人の上に立つ人

人材が輩出する北条氏/松下禅尼の警告/エピソードに潜む同時代批判

第八章 自己紹介

役割を意識した自慢/馬術はたしなみ/巻子本時代の情報アクセス能力/当代きっての学者の誤りを指摘/書道の知識/見えない存在/対応を間違えると……/兼好の主人は誰か

第九章 源氏物語から徒然草へ—つれづれなる「浮舟」

宇治十帖への共感/和歌と源氏物語/手習巻を思いながら