秋夜長物語絵巻
注釈と研究
秋夜長物語絵巻研究会 編

2月刊行予定
定価:8,800円(10%税込)
A5判・上製・352頁
ISBN:978-4-86803-034-8
〈児物語〉分野に多大な影響を与えた作品を全注釈!
南北朝時代に成立した、寺院に仕える少年〈児〉(ちご)と僧侶の悲恋を描く『秋夜長物語』(あきのよのながものがたり)。
メトロポリタン美術館蔵の絵巻を底本とし、宗教文献・絵巻研究の成果も取り入れ、物語と挿絵の関係も詳細に検討。
児研究の本格的な基盤を築く。
これまで、児物語については文学研究をはじめ、歴史学、宗教学、美術史など多様な学問分野で言及されてきた。文学研究では、伝本や成立に関する研究を基礎として、童子の聖性や寺院における信仰をもとに作品の背景を明らかにする研究が進められてきた。また、仏教文学としての視点から、天台密教における仏教儀礼である「児灌頂」と『秋夜長』との構造の共通性が注目されている。さらにジェンダーの観点からは児の性についても論じられている。このように、『秋夜長』をはじめとする児物語研究は、一九八〇年代から一九九〇年代を中心に活況を呈していたが、近年ジェンダー研究や宗教研究、絵巻研究などの国際的な隆盛のなかで、再び関心が高まりつつある。…(中略)…本書の刊行が児物語研究のさらなる発展に寄与するものとなれば幸いである。(「はじめに」より)
はじめに
第一章 本文研究―校訂本文・校異・現代語訳・語釈
…………江口啓子、鹿谷祐子、末松美咲、服部友香、オリ・ポラト
凡例
上巻……第一段/第二段/第三段/第四段/第五段/第六段
中巻……第七段/第八段/第九段/第十段/第十一段/第十二段/第十三段
下巻……第十四段/第十五段/第十六段/第十七段/第十八段/第十九段/第二十段
第二章 諸本比較
…………江口啓子、鹿谷祐子、末松美咲、服部友香
Ⅰ 本文の比較
Ⅱ 挿絵の比較
第三章 解題
Ⅰ 成立・伝本について……服部友香
Ⅱ 物語内容について……末松美咲
Ⅲ 先行作品からの影響……服部友香
Ⅳ 後世への影響と享受……江口啓子
第四章 『秋夜長物語』の諸問題
『秋夜長物語』と諸説話―天狗説話とその周辺―……末松美咲
メトロポリタン美術館本『秋夜長物語』と雲居寺の迎え講……江口啓子
『秋夜長物語』と寺院文化―成立・享受の場として―……服部友香
児の社会的・宗教的な役割―『秋夜長物語』を中心にして―……オリ・ポラト
『秋夜長物語』の三つの視点―〈間宗教テクスト〉としての絵物語―……阿部泰郎
先行研究・関連文献一覧……服部友香
あとがき

