〈ことば〉を壊す詩人たち 
菅谷規矩雄と山本陽子、そして矢島輝夫、坂上弘、島尾敏雄まで 
坂井信夫 著

2024年2月29日発行
定価:4,180円(10%税込)
A5判・上製・288頁
ISBN:978-4-909832-86-3

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内容紹介著者紹介目次

稀有の詩魂をこの一冊に!

山本陽子の詩を、菅谷の詩的営為を、いまここに探し出すための、暗がりのなかのあかり。ことばがめぐり、歳月はやってきて、われらの糧になることができる。
坂井さん、ありがとう!――藤井貞和氏推薦


坂井信夫、渾身の初の評論集!
菅谷、山本に共通している詩的営為とともに、矢島、坂上、島尾らのその叫び、まなざし、ささやき、彼らから匂ってくるまがまがしいすべてが、わたしたちを傷つけ、陶然とさせずにはおかない。

解説◉堀部茂樹。

坂井 信夫(さかい のぶお)

1941年11月19日 満州国新京特別市にて出生。父・坂井艶司、母・横田文子
1946年8月 長野県飯田市の母の実家に引き揚げる
1951年3月 長崎県諫早市に転居
1960年3月 諫早高校を卒業して上京、巣鴨に住む
1966年3月 中央大学第二文学部仏文科卒業
 同年よりフリーランサーとして30数年、週刊誌の仕事に従事
 同年12月 雑誌『あぽりあ』創刊に参加、のち編集発行
1969年より 北川透編集『あんかるわ』終刊号まで寄稿
1973年 三鷹市井の頭に転居
1976年12月 横浜の六角橋教会にて受洗
1977年4月 横浜市港北区に転居
1980年2月 雑誌『詩的現代』創刊に参加、のち編集発行
1970年代~2000年代の主な寄稿誌……『はだしの街』『OLE』『胎土』『漏刻』『而シテ』『漉林』『草奔通信』『位置』『草土』『岬』『パーマネント・プレス』『嶺』『詩と思想』『操車場』など
1988年 『エピタフ』にて東海現代詩人会賞受賞
1992年10月 個人誌『索』創刊
1995年 『冥府の蛇』にて小熊秀雄賞受賞
2007年8月 個人誌『索通信』創刊
2011年8月 長崎にて「東北アジアキリスト教文学賞」受賞
現在 日本キリスト教詩人会、横浜詩人会会員

§1 菅谷規矩雄

菅谷規矩雄と〈死〉
〈亡命〉ののちに──『ブレヒト論 増補・改訂』

§2 山本陽子

『あぽりあ』の時代
漂流──山本陽子への素描
山本陽子とカフカ
**母・昌枝さんに聞く  インタビュー/坂井信夫
解体する自画像──〈絵〉をめぐって
沈黙のひびき
『青春~くらがり』の成立
山本陽子の〈死〉まで
山本陽子りばいばる
山本陽子との〈交流〉

§3 音楽

さいごのバッハ
『フーガの技法』への断片
モーツァルト断片
詩とジャズ/その極みへ

§4 小説

〈家族〉のなかで──矢島輝夫『もうひとつの生活』
〈対〉の成熟と崩壊 坂上弘『初めの愛』
島尾敏雄『死の棘』論

 初出一覧
 [解説]〈詩〉の解体と〈死〉、そして〈再生〉……堀部茂樹
 あとがき