受贈図書
『雲は美しいか 和歌と追想の力学』(平凡社)

渡部泰明氏よりいただきました。

ブックレット〈書物をひらく〉29
雲は美しいか 和歌と追想の力学
渡部泰明著
発行:平凡社
発行日:2023年3月24日

定価:本体1,000円+税

判型・製本:A5判・並製

ページ数:100

ISBN:978-4-582-36469-9

https://www.heibonsha.co.jp/book/b620746.html


万葉集以来、「雲」は膨大な和歌に詠みこまれてきた。
そしてとりわけ別れにかかわって、雲のモチーフは多様な美意識を堆積させ、
漢文学の伝統とも相まって、生成し、享受される情調の群体を成長させてきた。
そしてまた、追想されるその母体が新たな作品を生み出す。
和歌の、古典の、力動をさぐりあてる、雲の和歌史。


目次

はじめに——「追憶」

一 歌われた雲
 雲は名脇役/神出鬼没の雲

二 『万葉集』の雲
 雲は邪魔物か/雲は、つなぐ

三 平安時代へ——変貌する神女
 雲の通ひ路/舞姫と「高唐賦」の神女/『続浦島子伝記』——雲の文学として
 清少納言のまなざし/光源氏の哀惜/多層化する母体

四 『新古今集』の時代
 死と物語/『無名抄』「近代の歌体」

五 中世和歌の雲と幽玄
 定家仮託書の幽玄/正徹の戦略

おわりに——なぜ古典を学ぶのか、という問いに

 あとがき/掲載図版一覧