和歌史の中世から近世へ 
浅田徹・小川剛生・兼築信行・神作研一・田渕句美子・堀川貴司 編

2020年11月下旬刊行予定
予価:本体17,000円+税
A5判・上製・予624頁
ISBN:978-4-909832-27-6

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新たな地平を切り拓く!

俊成以後、中世から近世へ〈動態〉としての新しい和歌史を捕捉することに成功した最前線の和歌研究。
28名による渾身の書き下ろし。

*「本論文集は、2018年に亡くなられた松野陽一先生に対するオマージュとして企図されたものである。」


目次

はじめに
  ◆
『小侍従集』と「実定百首」…家永香織
二条天皇と管絃者―『言葉集』三一〇・三一一番歌私解―…中村文
『宝物集』の証歌―「心ある人」の位相―…紙宏行
中世歌物語というジャンルについて―平安末期から鎌倉中期の動向―…浅田徹
  *   *
俊成の時代の『伊勢物語』―歌枕「長岡」の誕生―…山本登朗
伝藤原為家筆『治承三十六人歌合』断簡…久保木秀夫
『千載和歌集』の成立過程―「うちぎき」から勅撰集へ―…渡邉裕美子
藤原俊成の判詞について―「まに」をめぐって―…渡部泰明
後鳥羽院歌壇の歌合と俊成判詞―社頭歌合判詞への視線―…安井重雄
『五社百首』についての覚書―歌道家成立の観点から―…吉田薫
俊成の祇園社奉納百首について…檜垣孝
八幡信仰と慈円『法華要文百首』―俊成の触発―…石川一
「追風」か「負風」か―藤原定家の仮名遣いと語義認識―…兼築信行
有心体の成立…寺島恒世
  *   *
巻子装の勅撰集―続千載和歌集を中心に―…佐々木孝浩
西行上人集の伝来…小川剛生
紫式部影の瑞夢と九条稙通―石山詣図幅関連文書の紹介―…杉本まゆ子
  *   *
実隆発句「梅が香を消えあへぬ雪やにほふらん」攷―道理と余情の問題として―…大谷俊太
脇坂安元旧蔵本について―『〔公任家集〕』を例に―…堀川貴司
仙台藩士茂庭綱元(了庵)の文事…綿抜豊昭
長嘯子『挙白集』と西行歌の転生…鈴木淳
和田以悦最晩年の文事―茶道庸軒流二世・藤村恕堅への『八雲神詠伝』の相伝をめぐって―…海野圭介
もう一つの「細道」続貂…深沢眞二
風客仁木充長―出生より享保十年まで―…久保田啓一
江戸の源氏学―『源氏物語伝来書』を起点として―…神作研一
後桜町天皇と近衛内前―朝廷政治と歌道伝受―…盛田帝子
歌枕から名所へ―和歌研究の視野に入れるべきか―…錦仁
窪田空穂による『源氏物語』の和歌注釈―与謝野晶子との対照性―…田渕句美子
  ◆
松野陽一略年譜
松野陽一業績目録
国文学研究資料館所蔵松野文庫目録
  ◆
父との思い出……松野一秀
歳月を超えて耳に響く声……ロバート キャンベル
おわりに
執筆者一覧


執筆者

 *は編者

家永香織(いえなが・かおり)
白百合女子大学他非常勤講師。
中古中世和歌文学専攻。
『転換期の和歌表現 院政期和歌文学の研究』(青簡舎、2012年)、「『小侍従集』伝本考」(『和歌文学研究』120号、2020年6月)

中村 文(なかむら・あや)
日本女子大学・早稲田大学非常勤講師。
日本中世文学専攻。
『後白河院時代歌人伝の研究』(笠間書院、2005年)、『歌人源頼政とその周辺』(編著、青簡舎、2019年)、『奥義抄古鈔本集成』(共著、和泉書院、2020年)

紙 宏行(かみ・ひろゆき)
文教大学文学部教授。
中世和歌専攻。
「親句・疎句説の形成と展開」(『和歌文学研究』第49号、1984年)、『袖中抄の研究』(新典社、2017年)

浅田 徹(あさだ・とおる)*
お茶の水女子大学教授。
和歌文学・和歌史専攻。
シリーズ『和歌をひらく』全5巻(岩波書店、2005年、共編)、「中世後期法楽定数歌の機能について―速詠化、続歌との「棲み分け」―」(『和歌文学研究』110号、2015年6月)、「近世歌風史論序説―十八世紀から十九世紀へ―」(『近世文藝』112号、2020年7月)

山本登朗(やまもと・とくろう)
京都光華女子大学名誉教授・関西大学名誉教授。
平安時代文学とその享受史専攻。
『伊勢物語の生成と展開』(笠間書院、2017年)、『伊勢物語 流転と変転 鉄心斎文庫本が語るもの』(平凡社、2018年)

久保木秀夫(くぼき・ひでお)
日本大学文理学部国文学科教授。
日本中古・中世文学専攻。
『中古中世散佚歌集研究』(青簡舎、2009年)、「『源氏物語』”巻別本”研究の可能性」(中古文学会関西支部編『源氏物語 本文研究の可能性』所収、和泉書院、2020年)

渡邉裕美子(わたなべ・ゆみこ)
立正大学文学部教授。
日本中世文学・和歌文学専攻。
『新古今時代の表現方法』(笠間書院、2010年)、『歌が権力の象徴になるとき  屛風歌・障子歌の世界』(角川学芸出版、2011年)、『藤原俊成』(コレクション日本歌人選、笠間書院、2018年)

渡部泰明(わたなべ・やすあき)
東京大学大学院人文社会系研究科教授。
和歌文学専攻。
『中世和歌の生成』(若草書房、1999年)、『中世和歌史論 様式と方法』(岩波書店、2017年)

安井重雄(やすい・しげお)
龍谷大学教授。
中世和歌文学専攻。
『藤原俊成 判詞と歌語の研究』(笠間書院、2006年)、『王朝歌合集』(共著、明治書院、2018年)

吉田 薫(よしだ・かおる)
大阪信愛女学院(現、大阪信愛学院)短期大学名誉教授。
日本中世文学専攻。
松野陽一共編『藤原俊成全歌集』(笠間書院、2007年)、「五社百首の本文異同に関する一考察」(『武蔵野文学』第66集、2018年12月)

檜垣 孝(ひがき・たかし)
大東文化大学名誉教授。
中世和歌文学専攻。
『俊成久安百首評釈』(武蔵野書院、1999年)、『長秋詠藻全評釈』下巻(武蔵野書院、2018年)

石川 一(いしかわ・はじめ)
県立広島大学人間文化学部名誉教授。
日本中世和歌専攻。
『慈円和歌論考』(笠間書院、1998年)、『慈円法楽和歌論考』(勉誠出版、2014年)、『御裳濯和歌集 全注釈並びに資料と研究』(勉誠出版、2019年)

兼築信行(かねちく・のぶゆき)*
早稲田大学文学学術院教授。
日本中古・中世文学、和歌文学専攻。
「藤原定家最晩年の感慨―『名号七字十題和歌』の述懐歌から―」(『国文学研究』189、2018年10月)、「藤原定家(明静)の嘉禎三年」(『国語と国文学』96-12、2019年12月)

寺島恒世(てらしま・つねよ)
国文学研究資料館名誉教授・武蔵野大学特任教授。
和歌文学・中世文学専攻。
『後鳥羽院和歌論』(笠間書院、2015年)、『百人一首に絵はあったか―定家が目指した秀歌撰―』(ブックレット〈書物をひらく〉16、平凡社、2018年)

佐々木孝浩(ささき・たかひろ)
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授(文庫長)。
日本古典書誌学・和歌文学専攻。
『日本の書と紙 古筆手鑑『かたばみ帖』の世界』(共著、三弥井書店、2012年)、『日本古典書誌学論』(笠間書院、2016年)

小川剛生(おがわ・たけお)*
慶應義塾大学文学部教授。
中世文学・和歌文学専攻。
『中世和歌史の研究 撰歌と歌人社会』(塙書房、2017年)、『二条良基』(人物叢書、吉川弘文館、2020年)

杉本まゆ子(すぎもと・まゆこ)
宮内庁書陵部図書課文書研究官。
和歌文学・書誌学専攻。
「『日野家雑文書』に見る源氏物語聞書」(『書陵部紀要』68号、2017年)、「和歌御会始から歌会始へ」(図録『明治の御慶事』所収、宮内庁、2018年)

大谷俊太(おおたに・しゅんた)
京都女子大学教授。
室町・江戸時代文学研究。
『和歌史の「近世」―道理と余情―』(ぺりかん社、2007年)、  「三藐院近衛信尹筆〔笑話書留〕について―近世初期堂上歌壇と笑話―」(『国語国文』83巻10号、2014年10月)

堀川貴司(ほりかわ・たかし)*
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授。
日本漢文学専攻。
『詩のかたち・詩のこころ―中世日本漢文学研究―』(若草書房、2006年)、『五山文学研究 資料と論考』(正続)(笠間書院、2011年・2015年)

綿抜豊昭(わたぬき・とよあき)
筑波大学図書館情報メディア系教授。
短詩型文芸専攻。
『近世武家社会と連歌』(勉誠出版、2019年)、『明智光秀の近世』(桂書房、2019年)、『図書・図書館史』(学文社、2014年)

鈴木 淳(すずき・じゅん)
国文学研究資料館名誉教授。
近世文芸専攻。
『和歌文学大系 六帖詠草・六帖詠草拾遺』(鈴木淳・加藤弓枝共著、明治書院、2013年)、「小沢蘆庵と妙法院宮真仁法親王」(飯倉洋一・盛田帝子編『文化史のなかの光格天皇―朝儀復興を支えた文芸ネットワーク―』勉誠出版、2018年)

海野圭介(うんの・けいすけ)
国文学研究資料館教授(研究主幹)・総合研究大学院大学教授(併任)。
和歌文学、書誌学専攻。
『和歌を読み解く 和歌を伝える̶堂上の古典学と古今伝受』(勉誠出版、2019年)、『天野山金剛寺善本叢刊1~5』(共編著、勉誠出版、2017~2018年)

深沢眞二(ふかさわ・しんじ)
東洋文庫研究員。
日本中世・近世文学専攻、とくに連歌俳諧。
『『和漢』の世界 和漢聯句の基礎的研究』(清文堂、2010年)、『旅する俳諧師 芭蕉叢考二』(清文堂、2015年)

久保田啓一(くぼた・けいいち)
広島大学教授。
日本近世文学専攻。
『新編日本古典文学全集73 近世和歌集』(小学館、2002年)、『近世冷泉派歌壇の研究』(翰林書房、2003年)

神作研一(かんさく・けんいち)*
国文学研究資料館教授(副館長)・総合研究大学院大学教授(併任)。
日本近世文学専攻。
『近世和歌史の研究』(角川学芸出版、2013年)、「香川黄中の位置」(飯倉洋一・盛田帝子編『文化史のなかの光格天皇―朝儀復興を支えた文芸ネットワーク―』、勉誠出版、2018年)

盛田帝子(もりた・ていこ)
大手前大学准教授。
日本近世文学専攻。
『近世雅文壇の研究―光格天皇と賀茂季鷹を中心に―』(汲古書院、2013年)、「光格天皇の文化復興―南殿の桜をめぐって―」(『国語と国文学』97巻11号、2020年11月)

錦 仁(にしき・ひとし)
新潟大学名誉教授。
和歌・伝承の研究。
『なぜ和歌を詠むのか―菅江真澄の旅と地誌―』(笠間書院、2011年)、『宣教使 堀秀成―だれも書かなかった明治―』(三弥井書店、2012年)

田渕句美子(たぶち・くみこ)*
早稲田大学教授。
日本中世文学・和歌文学・女房文学専攻。
『女房文学史論―王朝から中世へ―』(岩波書店、2019年)、「小倉色紙と「嵯峨中院障子色紙形」―紙背と成立を中心に―」(『かがみ』第50号、2020年3月)