軍記物語講座 第四巻 
乱世を語りつぐ 
松尾葦江 編

2020年5月30日発行 
定価:7,700円(10%税込)
A5判・上製・300頁
ISBN:978-4-909832-24-5

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内容紹介編者・執筆者紹介目次

軍記物語が華やかに開花したのは、室町文化の中であった。

文学のみならず、歴史・芸術・言語等の周辺分野からのアプローチも交えた、最新の研究成果を提示。この20年のうちに大きく変化してきた軍記物語研究の現在と、今後を見据えた文学本来の課題を照らしだす。

テーマ作品・ジャンル:曽我物語・義経記・明徳記・嘉吉記・応仁記・鎌倉大草紙・後南朝関係軍記・戦国軍記・家伝・幸若舞曲・御伽草子

シリーズ一覧
第一巻 武者の世が始まる
第二巻 無常の鐘声—平家物語
第三巻 平和の世は来るか—太平記
第四巻 乱世を語りつぐ
●全4巻、完結

松尾 葦江(まつお あしえ)*編者
1943(昭和18)年神奈川県生まれ。博士(文学)。
専門は日本中世文学、特に軍記物語。
主な著書:『平家物語論究』(明治書院、1985年)、『軍記物語論究』(若草書房、1996年)、『軍記物語原論』(笠間書院、2008年)、『源平盛衰記』二・五(三弥井書店、1993年・2007年)、『源平盛衰記年表』(編著、三弥井書店、2015年)など。


坂井 孝一(さかい こういち) 創価大学教授
著書・論文:『源実朝 「東国の王権」を夢見た将軍』(講談社メチエ、2014年)、『承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱』(中公新書、2018年)、「中世前期の文化」(『岩波講座 日本歴史』第6巻中世1、2013年)など。

小井土 守敏(こいど もりとし) 大妻女子大学教授
著書・論文:『曽我物語』上~下(共編、新典社、2013~2015年)、「情報の形―『曽我物語』を例にして」(河野貴美子他篇『日本「文」学史』第2冊、勉誠出版、2017年)、「流布本で読む『曽我物語』」(『武蔵野文学』67号、2019年12月)など。

鈴木 元(すずき はじめ) 熊本県立大学教授
著書・論文:『室町連環 中世日本の知と空間』(勉誠出版、2014年)、「物語草子における形式の問題―『横座房物語』の場合」(『国語国文』第86巻第2号、2017年)、「京師巡覧〈稲荷〉贅註」(『朱』第62号、2019年)など。

藪本 勝治(やぶもと かつはる) 灘中学校・高等学校教諭
著書・論文:『義経記 権威と逸脱の力学』(和泉書院、2015年)、「『吾妻鏡』の歴史叙述における承久の乱」(野口実編『承久の乱の構造と展開 転換する朝廷と幕府の権力』戎光祥出版、2019年)、「『吾妻鏡』の文脈と和田合戦記事」(『軍記と語り物』56号、2020年)など。

西村 知子(にしむら さとこ)
著書・論文:「『義経記』から『異本義経記』へ 『義経記』受容の視点からの考察」(『軍記と語り物』52号、2016年3月)、「『義経東下り物語』における『義経記』奥州落説話の変容 判官物語系諸本本文異同の問題とともに」(関西軍記物語研究会編『軍記物語の窓』第五集、和泉書院、2017年)、「『義経記』の展開と変容 『異本義経記』を一例として」(『説話文学研究』54 号、2019年9月)など。

本井 牧子(もとい まきこ) 京都府立大学教授
著書・論文:「義経後半生を描いた文芸―『義経奥州落絵詞』のありかたを端緒として―」(『説話文学研究』第54号、2019年9月)、「『釈迦堂縁起』とその結構」(『国語国文』第86巻5号、2017年5月)、「國學院大學図書館蔵『義経奥州落絵詞』の諸相―幸若舞曲・能との関連を端緒として―」(針本正行編『物語絵の世界』國學院大學文学部針本正行研究室、2010年3月)など。

大坪 亮介(おおつぼ りょうすけ) 大阪大谷大学専任講師
著書・論文:『南北朝軍記物語論』(和泉書院、2020年)、「『明徳記』における山名氏清と新田義貞 朝敵認定との関わり」(『国語国文』85巻3号、2016年) 、「天正本『太平記』巻四「呉越戦事」の増補傾向 姑蘇城・姑蘇台と西施の記述を端緒として」(『文学史研究』58号、2018年)など。

瀬戸 祐規(せと ゆうき) 神戸松蔭女子学院大学・大阪体育大学非常勤講師
著書・論文:「『大乗院寺社雑事記』『文正記』に見る長禄・寛正の内訌」(大乗院寺社雑事記研究会編『大乗院寺社雑事記研究論集』第3巻、2006年)、「根来法師から根来氏、根来組へ-近世軍記・由緒書等の検討を通して-」(鶴﨑裕雄編『地域文化の歴史を往く 古代・中世から近世へ』和泉書院、2012年)、「戦国期北摂地域を描いた軍記物語-『能勢物語』を中心に-」(猪名川町歴史文化遺産活性化実行委員会編『多田院御家人と多田荘の歴史を紐解く』2018年3月)など。

藏中 さやか(くらなか さやか) 神戸女学院大学教授
著書・論文:『中世歌題集成書の研究』(青簡舎、2020年)、『王朝歌合集』(和歌文学大系48、共著、明治書院、2018年)、新注和歌文学叢書『頼政集新注』上・中・下(共著、青簡舎、2011~2016年)など。

山上 登志美(やまがみ としみ) 甲南女子大学・神戸学院大学非常勤講師
著書・論文:『戦国軍記事典 天下統一篇』(共著、和泉書院、2011年)、「『長禄寛正記』の成立」(『古典遺産』65号、2016年3月)「戦国軍記から実録物へ―脇坂家の貂の皮をめぐって―」(『季刊 悠久』151号、2017年11月)、など。

田口 寛(たぐち ひろし) 梅光学院大学准教授
著書・論文:『別冊 戦国武将逸話集 訳注『常山紀談』拾遺 巻一~四・附録 雨夜燈』(共著、勉誠出版、2018年)、「新田岩松家旧蔵の異本『鎌倉大草紙』と上杉禅秀の乱―「東国」の軍記・軍記物語―」(『季刊 悠久』151号、2017年11月)、「『安宅一乱記』について」(『軍記と語り物』56号、2020年3月)など。

武田 昌憲(たけだ まさのり) 尚絅大学教授
著書・論文:『戦国軍記事典 天下統一編』(共著、和泉書院、2011年)、「島原一揆と使者―中世軍記の種子と終焉と―」(『文学・語学』、207号、2013年11月)、「一揆鎮圧―島原一揆の「使者」の一面、福井藩・松江藩―」(日下力監修、鈴木彰・三澤裕子編『いくさと物語の中世』汲古書院、2015年)など。

笹川 祥生(ささかわ さちお) 元京都女子大学教授
著書・論文:『戦国軍記の研究』(和泉書院、1999年)、「落ちる武人たち―『平家物語』『太平記』ならびに戦国軍記―」(説話と説話文学の会編『説話論集』17、清文堂出版、2008年)、「毛利軍記の流れ―公私の関わり―」(関西軍記物語研究会編『軍記物語の窓』第五集、和泉書院、2017年)など。

髙橋 恵美子(たかはし えみこ) 武蔵野学院大学教授
著書・論文:『中世結城氏の家伝と軍記』(勉誠出版、2010年)、「中世軍記史料における料紙表現-『平家物語』諸本を中心に」(湯山賢一編『古文書料紙論叢』勉誠出版、2017年)、「中世武家文書における仮名使用に関する一考察~足利氏を中心に」(『武蔵野学院大学日本総合研究所研究紀要』第15輯、2018年3月)など。

小林 健二(こばやし けんじ) 国文学研究資料館名誉教授
著書・論文:『中世劇文学の研究―能と幸若舞曲』(三弥井書店、2000年)、『描かれた能楽―芸能と絵画が織りなす文化史』(吉川弘文館、2019年)、『絵解く 戦国の芸能と絵画 描かれた語り物の世界』(編著、三弥井書店、2020年)など。

大島 由紀夫(おおしま ゆきお) 群馬工業高等専門学校教授
著書・論文:『神道縁起物語(二)』( 伝承文学資料集成6、編著、三弥井書店、2002年)、『チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵 俵藤太物語絵巻』( 共編著、勉誠出版、2006年)、『中世衆庶の文芸文化 縁起・説話・物語の演変』( 三弥井書店、2014年) など。

加美 甲多(かみ こうた) 跡見学園女子大学専任講師
著書・論文:「『沙石集』と経典における譬喩―『百喩経』との比較を端緒として―」(『仏教文学』第34号、2010年3月)、「無住と梵舜本『沙石集』の位置」(小島孝之監修『無住 研究と資料』、あるむ、2011年)、「僧を嗤う『沙石集』『雑談集』―真に敬うべきもの―」(京都仏教説話研究会編『説話の中の僧たち』、新典社、2016年)など。

まえがき●山上登志美1(やまがみ としみ) 甲南女子大学・神戸学院大学非常勤講師
著書・論文:『戦国軍記事典 天下統一篇』(共著、和泉書院、2011年)、「『長禄寛正記』の成立」(『古典遺産』65号、2016年3月)「戦国軍記から実録物へ―脇坂家の貂の皮をめぐって―」(『季刊 悠久』151号、2017年11月)、など。

Ⅰ 室町という時代

室町という時代●坂井孝一2(さかい こういち) 創価大学教授
著書・論文:『源実朝 「東国の王権」を夢見た将軍』(講談社メチエ、2014年)、『承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱』(中公新書、2018年)、「中世前期の文化」(『岩波講座 日本歴史』第6巻中世1、2013年)など。
一 はじめに
二 足利義満の時代―「室町殿」から「北山殿」へ―
三 足利義持の時代―「室町殿」の安定期―
四 足利義教の時代―「万人恐怖」から将軍弑逆へ―
五 足利義政の時代―将軍親裁から大乱勃発へ―
六 むすびにかえて―室町という時代の文化―

Ⅱ 武家政権の陰に 曽我物語・義経記

『曽我物語』の女性たち―〝女語り〟の物語は女性をいかに語ったか―●小井土守敏3(こいど もりとし) 大妻女子大学教授
著書・論文:『曽我物語』上~下(共編、新典社、2013~2015年)、「情報の形―『曽我物語』を例にして」(河野貴美子他篇『日本「文」学史』第2冊、勉誠出版、2017年)、「流布本で読む『曽我物語』」(『武蔵野文学』67号、2019年12月)など。
一 はじめに
二 『曽我物語』に登場する女性
三 兄弟を弔う女性たち
四 恩讐を超えて
五 仮名本の女性たち
六 称讃される女性たち
七 おわりに

曽我物語における挿入説話の問題●鈴木元4(すずき はじめ) 熊本県立大学教授
著書・論文:『室町連環 中世日本の知と空間』(勉誠出版、2014年)、「物語草子における形式の問題―『横座房物語』の場合」(『国語国文』第86巻第2号、2017年)、「京師巡覧〈稲荷〉贅註」(『朱』第62号、2019年)など。
一 注釈としての説話
二 慈恩寺縁起の周辺
三 『宝物集』をめぐる問題

『義経記』の構想力と遊戯性―弁慶像を中心に―●藪本勝治5(やぶもと かつはる) 灘中学校・高等学校教諭
著書・論文:『義経記 権威と逸脱の力学』(和泉書院、2015年)、「『吾妻鏡』の歴史叙述における承久の乱」(野口実編『承久の乱の構造と展開 転換する朝廷と幕府の権力』戎光祥出版、2019年)、「『吾妻鏡』の文脈と和田合戦記事」(『軍記と語り物』56号、2020年)など。
一 『義経記』の二面性
二 作品としての構想力
三 伝承の改作と遊戯性
四 『義経記』の開放性

『義経記』の時代―『謡曲拾葉抄』『異本義経記』からみる『義経記』享受―●西村知子6(にしむら さとこ)
著書・論文:「『義経記』から『異本義経記』へ 『義経記』受容の視点からの考察」(『軍記と語り物』52号、2016年3月)、「『義経東下り物語』における『義経記』奥州落説話の変容 判官物語系諸本本文異同の問題とともに」(関西軍記物語研究会編『軍記物語の窓』第五集、和泉書院、2017年)、「『義経記』の展開と変容 『異本義経記』を一例として」(『説話文学研究』54 号、2019年9月)など。
一 はじめに
二 『謡曲拾葉抄』について
三 『義経記』の引用
四 『異本義経記』の引用
五 おわりに

判官物の古状型往来―古状で綴られる義経・弁慶の生涯―●本井牧子7(もとい まきこ) 京都府立大学教授
著書・論文:「義経後半生を描いた文芸―『義経奥州落絵詞』のありかたを端緒として―」(『説話文学研究』第54号、2019年9月)、「『釈迦堂縁起』とその結構」(『国語国文』第86巻5号、2017年5月)、「國學院大學図書館蔵『義経奥州落絵詞』の諸相―幸若舞曲・能との関連を端緒として―」(針本正行編『物語絵の世界』國學院大學文学部針本正行研究室、2010年3月)など。
一 『腰越状』『義経含状』『弁慶状』
二 『弁慶状』にみられる伝承
三 『弁慶状』の位相

Ⅲ つづく戦乱 明徳記・嘉吉記・応仁記・鎌倉大草紙・後南朝関係軍記

『明徳記』における「弓矢」●大坪亮介8(おおつぼ りょうすけ) 大阪大谷大学専任講師
著書・論文:『南北朝軍記物語論』(和泉書院、2020年)、「『明徳記』における山名氏清と新田義貞 朝敵認定との関わり」(『国語国文』85巻3号、2016年) 、「天正本『太平記』巻四「呉越戦事」の増補傾向 姑蘇城・姑蘇台と西施の記述を端緒として」(『文学史研究』58号、2018年)など。
一 はじめに
二 『明徳記』の武士と「弓矢」
三 延慶本『平家物語』と『太平記』の「弓矢」
四 『明徳記』における「不義ノ弓矢」「弓矢ノ不義」
五 氏清・満幸を「朝敵」と認めないこと
六 おわりに

嘉吉の乱関係軍記にみる叙述のあり方―謀叛の動機と自家の功績に対する認識の観点から―●瀬戸祐規9(せと ゆうき) 神戸松蔭女子学院大学・大阪体育大学非常勤講師
著書・論文:「『大乗院寺社雑事記』『文正記』に見る長禄・寛正の内訌」(大乗院寺社雑事記研究会編『大乗院寺社雑事記研究論集』第3巻、2006年)、「根来法師から根来氏、根来組へ-近世軍記・由緒書等の検討を通して-」(鶴﨑裕雄編『地域文化の歴史を往く 古代・中世から近世へ』和泉書院、2012年)、「戦国期北摂地域を描いた軍記物語-『能勢物語』を中心に-」(猪名川町歴史文化遺産活性化実行委員会編『多田院御家人と多田荘の歴史を紐解く』2018年3月)など。
一 はじめに
二 謀叛の動機
三 自家の功績
四 むすび

和歌を詠む赤松教康●藏中さやか10(くらなか さやか) 神戸女学院大学教授
著書・論文:『中世歌題集成書の研究』(青簡舎、2020年)、『王朝歌合集』(和歌文学大系48、共著、明治書院、2018年)、新注和歌文学叢書『頼政集新注』上・中・下(共著、青簡舎、2011~2016年)など。
一 嘉吉の乱首謀者の祖
二 和歌を詠む武人として
三 嘉吉の乱関係軍記と和歌
四 教康の終焉場面―実録的な作品群より―
五 教康の終焉場面―『嘉吉物語』より―
六 おわりに

『応仁記』一巻本・二巻本の成立―『野馬台詩』の呪縛からの解放―●山上登志美11(やまがみ としみ) 甲南女子大学・神戸学院大学非常勤講師
著書・論文:『戦国軍記事典 天下統一篇』(共著、和泉書院、2011年)、「『長禄寛正記』の成立」(『古典遺産』65号、2016年3月)「戦国軍記から実録物へ―脇坂家の貂の皮をめぐって―」(『季刊 悠久』151号、2017年11月)、など。
一 はじめに
二 一巻本と二巻本の先出をめぐって
三 『野馬台詩』をめぐって
四 未完『応仁記』
五 おわりに

『鎌倉大草紙』とその周辺―「作品」として考えるために―●田口寛12(たぐち ひろし) 梅光学院大学准教授
著書・論文:『別冊 戦国武将逸話集 訳注『常山紀談』拾遺 巻一~四・附録 雨夜燈』(共著、勉誠出版、2018年)、「新田岩松家旧蔵の異本『鎌倉大草紙』と上杉禅秀の乱―「東国」の軍記・軍記物語―」(『季刊 悠久』151号、2017年11月)、「『安宅一乱記』について」(『軍記と語り物』56号、2020年3月)など。
一 はじめに
二 『大草紙』研究の現状
三 『大草紙』記事の周辺―同話・関係話資料など―
四 『大草紙』における上杉憲実
五 おわりに

「後南朝」の軍記物語●武田昌憲13(たけだ まさのり) 尚絅大学教授
著書・論文:『戦国軍記事典 天下統一編』(共著、和泉書院、2011年)、「島原一揆と使者―中世軍記の種子と終焉と―」(『文学・語学』、207号、2013年11月)、「一揆鎮圧―島原一揆の「使者」の一面、福井藩・松江藩―」(日下力監修、鈴木彰・三澤裕子編『いくさと物語の中世』汲古書院、2015年)など。
一 はじめに 後南朝とは―後南朝の初見―
二 後南朝の歴史
三 後南朝の軍記とは
四 後南朝軍記の行方

Ⅳ 戦国から偃武へ 戦国軍記・家伝・幸若舞曲・御伽草子

「戦国軍記」の範囲―細川政元殺害の記録を例に―●笹川祥生14(ささかわ さちお) 元京都女子大学教授
著書・論文:『戦国軍記の研究』(和泉書院、1999年)、「落ちる武人たち―『平家物語』『太平記』ならびに戦国軍記―」(説話と説話文学の会編『説話論集』17、清文堂出版、2008年)、「毛利軍記の流れ―公私の関わり―」(関西軍記物語研究会編『軍記物語の窓』第五集、和泉書院、2017年)など。
一 「後期軍記」の概要
二 細川政元殺害事件の記録
三 戦国軍記の範囲

家伝史料『結城軍記』諸本の相関関係―『小山記』『長沼日記』と対照して―●髙橋恵美子15(たかはし えみこ) 武蔵野学院大学教授
著書・論文:『中世結城氏の家伝と軍記』(勉誠出版、2010年)、「中世軍記史料における料紙表現-『平家物語』諸本を中心に」(湯山賢一編『古文書料紙論叢』勉誠出版、2017年)、「中世武家文書における仮名使用に関する一考察~足利氏を中心に」(『武蔵野学院大学日本総合研究所研究紀要』第15輯、2018年3月)など。
一 はじめに
二 『結城軍記』における結城合戦の描写
三 『小山記』について
四 所収記事の比較からみる『結城軍記』諸本の関係
五 おわりに

十七世紀初頭における幸若舞曲享受の一様相―梵舜の書写活動をめぐって―●小林健二16(こばやし けんじ) 国文学研究資料館名誉教授
著書・論文:『中世劇文学の研究―能と幸若舞曲』(三弥井書店、2000年)、『描かれた能楽―芸能と絵画が織りなす文化史』(吉川弘文館、2019年)、『絵解く 戦国の芸能と絵画 描かれた語り物の世界』(編著、三弥井書店、2020年)など。
一 はじめに
二 梵舜等が書写した幸若舞曲
三 梵舜本幸若舞曲の各写本の性格
四 梵舜本「含状」の場合
五 『舜旧記』に見える梵舜と幸若舞曲
六 むすび―梵舜の幸若舞曲書写から見えてくること―

物語草子の闘諍・合戦譚●大島由紀夫17(おおしま ゆきお) 群馬工業高等専門学校教授
著書・論文:『神道縁起物語(二)』( 伝承文学資料集成6、編著、三弥井書店、2002年)、『チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵 俵藤太物語絵巻』( 共編著、勉誠出版、2006年)、『中世衆庶の文芸文化 縁起・説話・物語の演変』( 三弥井書店、2014年) など。
一 はじめに―軍記物語とお伽草子―
二 まつろわぬ者―悪党・山賊・盗賊―との合戦
三 お家騒動―「家」をめぐる闘諍―
四 寺社の被災―聖域への侵犯―
五 おわりに―物語が紡ぐ「乱世の記憶」―

*  *  *

軍記物語年表(二)●加美甲多18(かみ こうた) 跡見学園女子大学専任講師
著書・論文:「『沙石集』と経典における譬喩―『百喩経』との比較を端緒として―」(『仏教文学』第34号、2010年3月)、「無住と梵舜本『沙石集』の位置」(小島孝之監修『無住 研究と資料』、あるむ、2011年)、「僧を嗤う『沙石集』『雑談集』―真に敬うべきもの―」(京都仏教説話研究会編『説話の中の僧たち』、新典社、2016年)など。

あとがき●松尾葦江19(まつお あしえ)
1943(昭和18)年神奈川県生まれ。博士(文学)。
専門は日本中世文学、特に軍記物語。
主な著書:『平家物語論究』(明治書院、1985年)、『軍記物語論究』(若草書房、1996年)、『軍記物語原論』(笠間書院、2008年)、『源平盛衰記』二・五(三弥井書店、1993年・2007年)、『源平盛衰記年表』(編著、三弥井書店、2015年)など。
執筆者紹介

付録「しおり」
遁世者と乱世●木下華子(Web連載「軍記物語講座」によせて(8)を再録)
真名本の範囲●田中草大(Web連載「軍記物語講座」によせて(9)を再録)