新訳建礼門院右京大夫集 
島内景二 著

2023年12月15日発行
定価:2,970円(10%税込)
四六判・並製・584頁
ISBN:978-4-909832-82-5

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内容紹介著者紹介目次

平家の全盛期、宮廷に仕える女房が目にした華やかな生活と没落、そして、壇ノ浦に果てた平家公達との切ない恋と別れをつづった和歌集を現代語訳。
『平家物語』時代の歴史の荒波を、源氏側からでなく、滅びゆく平家側の視点で見わたす……激動する世界情勢の現代にも通ずる混乱の時代に生きた女性の記録を、作者の体温が生き生きと伝わる「新訳」で読む。

著者は、NHKラジオ第2放送で、2023年4月から再び「古典講読・日記文学をよむ」講師を担当。

「いつの時代でも、危機と破滅と隣り合わせの日々を、私たちは生きてきた。人間には押し留めようもない歴史の奔流が押し寄せてきた時に、愛し合う男女には、どのような生き方が可能なのか。それを考える大きなヒントが、『建礼門院右京大夫集』という作品にはある。それゆえに「新訳」を試みたい。」(「はじめに」より)

【好評既刊】
新訳十六夜日記(定価2,420円、2023年6月刊)
新訳うたたね(定価1,890円、2023年2月刊)
新訳紫式部日記(定価2,640円、2022年2月刊)
新訳蜻蛉日記上巻(定価1,980円、2021年5月刊)
新訳和泉式部日記(定価1,870円、2020年10月刊)*品切れ
新訳更級日記(定価1,980円、2020年3月刊)

島内 景二(しまうち けいじ)

1955年長崎県生

東京大学文学部卒業、東京大学大学院修了。博士(文学)

電気通信大学名誉教授

2020年4月から、NHKラジオ第2 古典講読「王朝日記の世界」を担当。2023年4月から再び「古典講読・日記文学をよむ」を担当。

主要著書
『新訳十六夜日記』『新訳うたたね』『新訳紫式部日記』『王朝日記の魅力』『新訳 蜻蛉日記上巻』『新訳 和泉式部日記』『新訳 更級日記』『和歌の黄昏 短歌の夜明け』(いずれも、花鳥社)、
『塚本邦雄』『竹山広』(コレクション日本歌人選。共に、笠間書院)
、『源氏物語の影響史』『柳沢吉保と江戸の夢』『心訳・鳥の空音』(いずれも、笠間書院)
、『北村季吟』『三島由紀夫』(共に、ミネルヴァ書房)
、『源氏物語に学ぶ十三の知恵』(NHK出版)、
『大和魂の精神史』『光源氏の人間関係』(共に、ウェッジ)
、『文豪の古典力』『中島敦「山月記伝説」の真実』(共に、文春新書)
、『源氏物語ものがたり』(新潮新書)、
『御伽草子の精神史』『源氏物語の話型学』『日本文学の眺望』(いずれも、ぺりかん社)、
歌集『夢の遺伝子』(短歌研究社)

はじめに 『建礼門院右京大夫集』への誘い

Ⅰ上巻の世界

0 標題
1 序文

2 「雲の上」の世界に紛れ込んで
 2-1 天皇と中宮の輝かしい姿
 2-2 二人の女神

3 西園寺実宗の思い出、二つ
 3-1 幻の琴の合奏
 3-2 幻の恋敵・平維盛
4 一枝と二枝
 4-1 二枝の思い出
 4-2 一枝の思い出
5 高倉天皇の横笛

6 題詠の和歌をまとめて

7 藤原公衡の恋人
8 平重盛の思い出
 8-1 菊の栄え

 8-2 兄弟で左大将と右大将

 8-3 迫りくる火事の炎
 8-4 平宗盛と、五節の櫛の思い出
9 平資盛との運命の契り
10 秋の物思い、二つ

 10-1 いなくなった蟋蟀

 10-2 尾花の涙
11 数字を詠んだ二つの歌
 11-1 二つの月夜

 11-2 三つの橘
12 春の物思い
 12-1 御所で資盛の姿を見るにつけて

 12-2 兄の菩提を弔う
13 花の思い出
 13-1 花見に参加できず

 13-2 でも、花は好き

 13-3 斎院御所の桜

 13-4 中将の君の恋
14 工芸品の思い出、二つ
 14-1 資盛から贈られた州浜

 14-2 父が画賛を書いた絵
15 初夏の情景、二つ

 15-1 山里の時鳥

 15-2 花橘の香り
16 菖蒲の思い出
 16-1 平時忠からの献上品

 16-2 暗い気持ちの菖蒲の日

 16-3 平維盛の妻との交流、菖蒲編

 16-4 再び、暗い気持ちの菖蒲を
17 秋を惜しむ建春門院

18 紅葉の思い出

 18-1 平維盛の妻との交流、紅葉編

 18-2 平忠度と紅葉

 18-3 紅葉からの連想で、「言の葉」を
19 月の素晴らしさ
 19-1 平清盛の西八条殿での雅びやかな宴
 19-2 月の歌の代作
 19-3 涙からの連想で
20 別れの歌
 20-1 平重盛の死と、資盛への弔問

 20-2 平重盛の妻への弔問
 20-3 藤原成親の北の方を慰める
21 物見ができなかったエピソード、二つ
 21-1 賀茂の臨時祭
 21-2 藤壺の紅葉
22 「六」にまつわる宮中の思い出、二つ
 22-1 六条殿の女房

 22-2 六個の椋の実
23 資盛追懐
 23-1 平資盛の雪の日の面影

 23-2 花よりも儚い人の命
24 比叡山と賀茂神社
 24-1 比叡山の雪
 24-2 賀茂神社の霜

25 平資盛との恋の悩み
 25-1 出会う以前に戻れたら
 25-2 月を見て

 25-3 色も香も褪せた縹の枕紙
26 中宮への宮仕えを辞して
 26-1 月のような建礼門院

 26-2 消えた琴の音

 26-3 建礼門院の出産の噂
 26-4 宮中の神楽の思い出
27 途絶えゆく人間関係
 27-1 流されて行く人

 27-2 出家した人の約束違反

 27-3 月ばかりが来て、人は来ない
28 平資盛との関係を反芻する

 28-1 愛情と友情は、どちらが強いか

 28-2 永遠に秘密にしておきたかった
29 藤原隆信という男

 29-1 隆信との出会い

 29-2 資盛との交際を羨む隆信

 29-3 再び、隆信の当てこすり
 29-4 葵祭の日
 29-5 隆信との関係、成立
30 隆信との苦しい恋
 30-1 車に乗って男の家へ

 30-2 二人で聞く時鳥、一人で聞く時鳥

 30-3 橘の枝と色男

 30-4 私は「しぶとく生きる女」なのか
31 隆信との恋の終わりは近いか
 31-1 夢に現れる隆信

 31-2 男の非常識さを責める
 31-3 恋の山で道に迷う
 31-4 いっそ、出家しようか
32 資盛の動向を耳にして

33 里の家からの眺め
 33-1 生い繁る「嘆き」の木
 33-2 山も見えない
34 二人の男性の間で

 34-1 武蔵鐙
 34-2 資盛とも疎遠

 34-3 小宰相を襲った愛の悲劇

 34-4 七夕の星
35 西山での日々
 35-1 枯れた花に寄せて
 35-2 裏返る葛の葉に寄せて
 35-3 月に寄せて
 35-4 枯野の荻に寄せて
 35-5 寝具に寄せて
36 秋の山里で湯浴みする人へ

37 嘆く人たち
 37-1 司召に漏れた男性

 37-2 維盛に忘れられかけた女性
38 重衡の思い出、二つ

 38-1 怪談

 38-2 資盛を出汁にして
39 資盛を思う
 39-1 忘却
 39-2 口喧嘩の思い出
40 亡き母を偲ぶ

41 高倉院、崩御──上巻の終わり

Ⅱ 下巻の世界

42 平家一門の都落ち──下巻の始まり

43 都落ちの直後
 43-1 月を見ながら

 43-2 言葉は届かない

 43-3 夢に現れた資盛

 43-4 病になっても死ねない
44 梅の花は残った

45 散りゆく平家の公達たち
 45-1 一ノ谷の戦死者たち
 45-2 生け捕りにされた重衡

 45-3 維盛の入水

 45-4 資盛からの手紙
46 資盛の最期
 46-1 悲報来
 46-2 他人の慰めを受け入れられず
47 深き絶望の淵より
 47-1 忘れることができたなら
 47-2 資盛の手紙を用いて経文を書く
48 夏から秋へ

 48-1 蜩に寄せて
 48-2 神と仏に見放されて
 48-3 資盛の別荘の跡を訪ねて
 48-4 資盛の本邸の跡を訪ねて
 48-5 私は、まだ生きている
49 建礼門院を大原に訪ねる
 49-1 大原詣で
 49-2 生き延びる辛さ
50 再生への道
 50-1 都を離れる

 50-2 比叡坂本にて

 50-3 逢坂の関を越えて

 50-4 雪の日の橘の木の思い出
 50-5 鳴子に寄せて
 50-6 雲に寄せて
51 星と雪の哀れ
 51-1 星月夜の哀れ

 51-2 横雪の哀れ
52 雪と雲

 52-1 雪に寄せて
 52-2 雲に寄せて
53 鳴子の音と、谷川の音
 53-1 鳴子に寄せて
 53-2 谷川の音に寄せて
54 都へ戻る

 54-1 志賀の浦にて

 54-2 湖の幻想……水底に沈んだ人
55 後鳥羽天皇の女房と

56 とどまらぬ涙、二題
 56-1 理由なき涙
 56-2 法話を聞いて
57 もう一人の私
58 死を思う日々

 58-1 時鳥の初音を聞いて

 58-2 母の忌日に

 58-3 資盛の命日に
 58-4 世界は、こんなにも明るいのに
59 七夕に寄する恋、五十首

60 後鳥羽天皇の宮中への再出仕
 60-1 変わらぬ「世の気色」

 60-2 昔通りの五節の淵酔
61 宮中で変わらない物と、変わる物

 61-1 斑な犬

 61-2 友のいない宮中

 61-3 菖蒲の御輿
62 偶然に、資盛の名前を聞く

63 失意の人を弔う
 63-1 藤原隆房を

 63-2 西園寺公経を
 63-3 平親長を

 63-4 平親長の思い出

 63-5 源通宗追悼
64 俊成九十の賀
65 跋文
 65-1 跋文・その一
 65-2 跋文・その二

66 奥書

おわりに